ここで公開している内容は管理者・こいたろうが独自に作成しているコンテンツです。公式サイト(http://fswiki.sourceforge.jp/cgi-bin/wiki.cgi)とは関係ありません。
[入門]
wikiサイトを構築するに当たって最初にやることはサイト名を決めて設定することです。管理者でログインした状態で上部メニューのログインから「環境設定」をクリックします。一番上に「サイト名」を入力する項目があります。最初は「FreeStyle Wiki」になっています。これを削除、自分で決めたサイト名を入れて「設定を保存」ボタンをクリックすることで、変更できます。
以後、ページタイトルは「ページ名 - サイト名」の表示になります。このサイト名の設定はとても重要です。試しに Google で「FreeStyleWiki」で検索してみてください。単なる FreeStyleWiki で作られただけで、内容はまったく関係ないサイトがたくさん出てきます。つまり、デフォルト状態から変更していないのです。
Google のクロールがデータベースに登録する際に、ページタイトルは最重要キーワードとして見ています。このサイト名を正しいものに設定することが SEO対策としてもとても重要だということがお分かりいただけるかと思います。
標準のままでは、各ページはほぼ独立した状態です。閲覧者が他にどんなページがあるのかを知るためには上部メニューの「一覧」をクリックしなければなりません。しかもこの一覧は編集した日時順になっているので、閲覧者にとって便利なものとはいえません。
サイト全体のナビゲーションやサイトとしての統一感を考える場合、メニューの存在が不可欠です。また、ページの上部や下部に各ページに共通した機能を提供したい場合があります。そんなときに便利なのが、ヘッダ、フッタ、サイドバーの存在です。
FreeStyleWiki には、「FrontPage」がトップページになることを始め、ある決まったページ名は特別な意味を持ちます。そのひとつが、Header、Footer、Menu という名前のページです。それぞれ半角英文字で、先頭のみ大文字、以後小文字でなければなりません。これらのページを作った瞬間に、各ページの一部として常に表示されるようになります。
以下の図を見てください。
標準のヘッダ、フッタ、サイドバー配置
標準の(defaultテーマ、defaultスタイル)場合、図のような配置に表示されます。これはスタイルシートでの指定なので、テーマを変更することによって、サイドバーを右側に表示させることもできます。
さっそくサイドバーを作ってみましょう。上部メニューの「新規」をクリックし新規作成画面になったら、ページ名を「Menu」と半角で入力して「作成」ボタンを押します。
通常の編集画面で「Menu の編集」となります。今まで練習で作成した4ページをメニューに表示しましょう。
[[トップ|FrontPage]] !!!メニュー *テストページ *ICT活用リンク集 *学習指導要領(情報A) *時間割 *支援担当校
入力ができたら保存します。さっそく「Menu」ページにもサイドバーが表示されるので、中央と左側に同じ記述が並びます。サイドバーの各ページへのリンクをクリックすると、ページが表示され、サイドバーメニューも常に表示されているか、確認してください。
プラグイン機能を使って更にメニューらしくしてみましょう。再びMenuページを表示し、編集画面で次のように変えてみましょう。
[[トップ|FrontPage]] {{search}} !!!メニュー *テストページ *ICT活用リンク集 *学習指導要領(情報A) *時間割 *支援担当校 !!!アクセスの多いページ {{access 5,v}}
これによって、以下のように充実したメニューが表示されるようになります。
だんだんそれらしくなったメニュー
検索プラグイン「search」によって、検索窓が現れます。ここに検索語句を入れることで wikiサイト全体からページを検索することができます。またアクセスの多いページのプラグイン「access 5,v」はサイトの中での人気ページを表示することで、閲覧者の便を図りつつサイト管理者も閲覧者のニーズを知ることができます。プラグインの詳細は後述します。
ヘッダーも作ってみましょう。上部メニューの「新規」をクリックし新規作成画面になったら、ページ名を「Header」と半角で入力して「作成」ボタンを押します。
通常の編集画面で「Header の編集」となります。ヘッダーに良く入れるのはアウトラインプラグインです。Header の中身にはアウトラインプラグイン「outline」だけ入れてみましょう。
{{outline}}
入力ができたら保存します。サイドバーのメニューから「学習指導要領(情報A)」をクリックしてみましょう。
ページの中の大項目、中項目、小項目がきれいなアウトラインに整理されて表示されるようになりました。これはページ内リンクにもなっていますので、長文のページではとても便利です。
アウトラインがきれいに表示される
アウトライン以外にも使い方があるかも知れません。工夫次第です。
フッターのほうも作ってみましょう。上部メニューの「新規」から、ページ名を「Footer」と半角で入力して「作成」ボタンを押します。
通常の編集画面で「Footer の編集」となります。フッターによく入れるのはファイル一覧プラグイン「files」や、ファイル添付フォームプラグイン「attach」です。次のように記述してみましょう。
{{attach nolist}} {{files}}
ファイル添付のフォームが表示されます。何かファイルを添付すると一覧に表示されるようになります。
ファイル添付フォームとファイル一覧
ウィキペディアに代表される wiki による辞典・事典サイトは、検索によりすべてまかなうことができるのでメニューに悩むことはありません。
しかし、通常の使い方であれば、ページがどんどん増えていくと、分類したくなってきます。そんなときとても便利なのがカテゴリプラグインです。
ページのどこかに
{{category カテゴリ名}}
のように記述します。どこに記述しても良いのですが、ページの先頭や最後が良いのではないでしょうか。これによって、「カテゴリ名」で指定したカテゴリが作られ、このページはそのカテゴリに属することになります。
それでは今まで作ったページをカテゴリに分類してみましょう。
「ICT活用リンク集」「支援担当校」
の2ページを編集してページ先頭に、
{{category ICT}}
と挿入して保存しましょう。また、
「学習指導要領(情報A)」「時間割」
のページの先頭に、
{{category 授業}}
と挿入して保存しましょう。以下は時間割ページの編集途中の様子。
{{category 授業}} , ,月,火,水,木,金,土 ,1,2D, ,2C,2G, ,2G ,2,2A, , ,2C,2F,2B ,3,2H, ,進,2E,2E,2H ,4,2B, , , , ,2F ,5, , ,土,2D,2A ,6,総, ,分, , ,7,総, , , ,
保存後の表示は以下のようになります。
カテゴリー[授業]が表示された
この「授業」の文字をクリックすると「カテゴリ:授業」一覧ページになり、「授業」カテゴリに含まれる全てのページ(といっても今は2ページだけですが)が表示されます。あるページを表示したときに、同じカテゴリページにアクセスすることが容易になります。
カテゴリ名を複数指定することができます。
{{category カテゴリ名1,カテゴリ名2,...}}
のように記述すれば、「カテゴリ名1」にも所属するし、「カテゴリ名2」にも所属するページになります。並んで表示されます。
試しに「あ」しか書かれていない「FrontPage」を編集し、
{{category ICT,授業}} あ
のようにしてみましょう。ページ上部に「ICT,授業」と二つのカテゴリに属する表示が現れます。これは、
{{category ICT}} {{category 授業}}
のように二つを並べて記述しても、表示の時に縦に並ぶだけで両方に所属することは変わりありません。お好みでどうぞ。
また、カテゴリ定義だけを行い、リンクを表示させないようにするには、
{{category カテゴリ名1,カテゴリ名2,……,nolink}}
と最後に「nolink」を記述すればアンカが表示されません。
まとめますと、
カテゴリはカテゴリリストプラグインをメニューに表示させることで威力を発揮します。
上部メニューの「一覧」をクリックし、「Menu」ページを表示して、上部メニューの「編集」をクリックすると、「Menu」ページの編集画面になります。ここで、内容を次のように書き換えます。
[[トップ|FrontPage]] {{search}} {{category_list}} !!!アクセスの多いページ {{access 5,v}}
保存するとサイドバーのページへのリンクメニューがカテゴリ別に自動的に表示されます。
カテゴリ別にページ一覧が表示された
自動的に全てのカテゴリとそこに含まれるページが一覧になって表示されるようになりました。これで新たに作ったページであっても、カテゴリに属していれば自動的にメニューに追加されるようになりとても便利です。
カテゴリの順番や、カテゴリ内のページの順番は文字コード順に並びます。また当然ですが、何のカテゴリにも属さないページは表示されません。ここでは最初に作った「テストページ」がそうですね。
メニューにおけるカテゴリの順番は気にしたいところです。メニューが文字コード順では具合の悪いことも多いと思います。そんなときは、カテゴリ名を指定して表示させることができます。先ほどのように「Menu」ページを編集して次のように記述します。
[[トップ|FrontPage]] {{search}} {{category_list 授業}} {{category_list ICT}} !!!アクセスの多いページ {{access 5,v}}
これによって、「授業」カテゴリと「ICT」カテゴリの順番が変わり、「授業」が先、「ICT」が後にメニューに表示されるようになります。
カテゴリが指定した順番に入れ替わった
また、メニューには表示させないカテゴリーは Menu から削除すればいいわけです。
ページ名の付け方については、「自動リンク機能」を使うことと、「カテゴリリスト表示」をすることを考えて付けると後でラクになります。
余りにも短く一般的な単語のページ名にしてしまうと、文章がリンクだらけになってしまいます。しかし余り長い名前ではページの先頭に太く大きな文字が主張しすぎます。また URL として最長255文字までという制限に引っかかる場合があります。
ある程度中身の判るほどよい長さが良いと思います。
自動リンク機能に対し、通常の文章でリンクになりにくくするためには、例えばこのページのタイトルのように「FreeStyleWiki」と「入門」の間に半角スペースを入れるなど、意識せずには通常の文章には出てこない形をタイトルにすると、望むときだけリンクにすることができます。
カテゴリ一覧表示も文字コード順に並びますので、例えば「2008」のように年号を先頭に付ける、「1.」「2.」など通し番号を付けるなど意識して順番に並ぶようにするのも良いでしょう。Windows でファイル一覧を表示したときのファイル名の順番と同じように考えればいいと思います。
以上のように考えると、組織で複数のメンバーが新規ページを作成していく状況がある場合、ページ名の命名法をある程度統一させておかないと収拾がつかなくなる場合があります。簡単なルールを作って周知させておくことが大切です。
wiki そのものの閲覧がログインユーザのみ許可しているサイトにおいては、トップページ(FrontPage)は殆ど意味をなしません。なぜならアクセスした瞬間に「参照権限がありません。」というメッセージが表示され、ログイン直後は「パスワードの変更」メニュー(または管理者メニュー)が表示され、メンバーはメニューから各ページに直接飛んでしまいます。
サイトの性質やメンバー共通の約束事などを覚え書き程度に書いておくぐらいでしょう。
ページの閲覧について誰でも閲覧できる設定になっている場合、最初に表示されるのはトップページ(FrontPage)である可能性が高いことになります(ただし、Google検索による訪問者はいきなり各ページに来る場合の方が多いでしょう)。そこでトップページにはサイト全体が「誰が」「何について」語っているサイトなのかを明示する必要があります。または目立つ位置に「このサイトについて」というリンクを張っておき、知りたい人が確認できるようにしておいても良いでしょう。
wikiの特徴として、「どのページも同じ扱いである」ということがあります。これが wiki の良さですが、サイトの初心者にはどこに必要な情報があるのかたどり着けないという欠点でもあります。そんなとき頼りになるのはトップページです。サイト全体が大まかにどのような構成であり、どんな情報を発信しているのか簡潔なナビゲーションがあると便利でしょう。カテゴリごとに小さなトップページを設け、そのページへのリンクを張るのも一つの手段です。
サイトの性質にもよりますが、少ないメンバー(更新するのは一人だけなど)の場合は、ページの更新情報をトップに載せると親切かも知れません。しかし、wiki らしく複数の人間が更新する場合はそれを追いかけるのは不可能です。またその場合は上部メニューの「一覧」を見れば更新履歴が判りますので、「『一覧』を見てください」と一言書くだけでも良いでしょう。
以上を踏まえて、サイドバーのメニューにはトップページのリンクを目立つところに置くことが大切です。ブログではブログタイトルをクリックすることでトップページに戻ることができますが、ブログと同様にメニューの最初にサイト名をトップページのリンクを張ってみましょう。
人は左上から視線を動かし始めるそうですから、左上に拠点に戻るリンクがあるのは大切だと思います。
練習用の wiki において「Menu」を編集し最初の一行目に、
!!![[Test Wiki|FrontPage]]
と記述すると以下のような表示になります。
左上にサイトタイトル(トップページのリンク付き)
ページ数がかなり増えてしまったとき、また複数の性質の異なるページが混在しているとき、いくつかのカテゴリをまとめる小さな単位の目次ページを用意することも閲覧者の便に有効でしょう。例えば、カテゴリ「ICT」に対する小トップページとして、新規ページ「ICTtop」というページを作成し、次のように記述します。
{{category ICT}} ICTカテゴリは教育のICT化に役立つ情報を載せています。このカテゴリには、 {{category_list ICT}} というページが含まれます。
これを表示すると次のようになります。
カテゴリーだけのトップページ
ただ、これもどれだけ活用されるかというと、ログインユーザのみ閲覧できるサイトの場合はほとんど無意味だと思います。ログイン操作ができるユーザは大体サイトの全体像が判っているからです。しかし、誰でも閲覧できるサイトの場合は余りに多くの情報を一覧すると返って混乱を招くので、分野に限定して提示するのは良い方法です。トップページにはこのいくつかに分けた目次ページへリンクを張っておき、そこから更に必要なページにアクセスしてもらうのも閲覧者に親切だと思います。
最終更新時間:2009年03月22日 22時57分21秒